
2025年PHJ東海支部勉強会前半|浜松パッシブハウスの設計事例
PHJ東海支部勉強会の前半レポート。浜松のパッシブハウス認定事例を題材に、断熱仕様・日射遮蔽・換気計画のポイントを解説します。
2025年5月19日
2025年PHJ東海支部勉強会前半|浜松パッシブハウスの設計事例
2025年5月、PHJ(パッシブハウス・ジャパン)東海支部の勉強会が開催されました。 前半は浜松市内で竣工したパッシブハウス認定物件の設計事例発表です。

建物概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 静岡県浜松市 |
| 構造 | 木造2階建て |
| 延床面積 | 約 130 m² |
| 断熱工法 | 充填+付加断熱 |
| 認定 | パッシブハウス(PHI)認定取得 |

断熱仕様
屋根
- 高性能グラスウール 16K 200 mm(充填)
- 高性能グラスウール 16K 100 mm(付加)
- 合計 U = 0.092 W/(m²K)

外壁
- 高性能グラスウール 16K 105 mm(充填)
- ネオマフォーム 50 mm(付加)
- 合計 U = 0.118 W/(m²K)

基礎
- スタイロフォームIB 100 mm(外断熱)
- 土間スラブ下 スタイロフォーム 50 mm
窓
- ウェルネストホーム×エクセルシャノン トリプルサッシ
- Uw = 0.74 W/(m²K)


平面計画


日射遮蔽の工夫
南面庇
- オーバーハング比(OH/H)= 0.5 を確保
- 夏至の日射を遮断しつつ冬至の日射を取得

東・西面
- 窓面積を最小化(各面 2 m² 以下)
- 植栽による夏季遮蔽を計画
換気計画
- 機種:ヴェントサン ComfoCool(ゼンダー社)
- 熱交換効率:82%
- 換気回数:0.32 回/h
- ダクト方式:集中換気(PP 管)
給気・排気のバランスを ±10% 以内に調整することで、 隙間風による結露リスクを低減しています。


PHPP 計算結果
| 項目 | 計算値 | 基準値 |
|---|---|---|
| 暖房負荷 | 13.2 kWh/(m²・年) | ≤ 15 |
| 冷房負荷 | 9.8 kWh/(m²・年) | ≤ 15 |
| 一次エネルギー | 98 kWh/(m²・年) | ≤ 120 |
| 気密(n50実測) | 0.42 回/h | ≤ 0.60 |
全項目で認定基準をクリア。竣工後の気密測定では n50 = 0.42 回/h を達成しました。
発表を聞いて
浜松は温暖地(6地域)でありながら、冬季の晴天率が高く日射取得が有利です。 一方で夏季の西日対策が重要で、窓の配置と庇設計が認定取得のカギとなっていました。
愛知県(刈谷市)の設計でも参考になる事例でした。