2025年PHJ東海支部勉強会後半|高性能住宅の夏季冷房設計
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2025年PHJ東海支部勉強会後半|高性能住宅の夏季冷房設計

PHJ東海支部勉強会の後半レポート。高性能住宅における夏季冷房の3方式比較、カビ対策、換気量分析など実践的な内容をまとめます。

2025年5月19日

2025年PHJ東海支部勉強会後半|高性能住宅の夏季冷房設計

勉強会後半は「高性能住宅の夏季冷房設計」をテーマにした講義と事例紹介。 温暖地における夏のパッシブ冷房と設備設計の実践ポイントを学びました。


冷房方式の比較(3方式)

冷房方式の比較

方式① 各室エアコン(一般的な方式)

  • イニシャルコスト:低
  • ランニングコスト:中〜高(運用次第)
  • 快適性:部屋ごとに温度差が生じやすい
  • 気密性能が高い住宅では過乾燥になりにくいが、エアコン直下で局所的な低温が発生

方式② 全館空調(ダクト式)

全館空調(スーパー銭湯型)

  • イニシャルコスト:高
  • ランニングコスト:低〜中
  • 快適性:均一な温熱環境を実現しやすい
  • ダクト断熱と気密性のメンテナンスが課題

方式③ 輻射冷暖房(天井輻射パネル等)

輻射冷暖房(源泉掛け流し型)

  • イニシャルコスト:最高
  • 快適性:最高レベル(ドラフトなし・静音)
  • 結露リスクに注意が必要(露点管理が必須)

カビ対策の考え方

高断熱・高気密住宅でのカビ発生は主に換気不足と局所的な結露が原因です。

カビの発生条件

対策ポイント

  1. 換気量の確保:CO₂ 濃度 1,000 ppm 以下を維持
  2. 室内湿度管理:夏季相対湿度 60% 以下が目標
  3. 冷気の吹き出し制御:直接冷気が壁・天井に当たらないよう吹き出し方向を調整
  4. 床下換気:基礎断熱の場合はビルトイン型またはダクトで床下を換気経路に組み込む

日射遮蔽効果(シミュレーション事例)

庇なし → 庇あり(OH/H = 0.5)の冷房負荷削減効果

日射遮蔽シミュレーション

方位 削減量
南面 約 30%
東面 約 15%(朝の低角度日射は効果薄)
西面 約 18%

冷房電気代換算:南面庇設置だけで 年間 約 7,000 円 の削減効果(6地域・130 m² 想定)


換気量分析(OA/EA バランス)

熱交換換気システム

発表された事例では竣工後の換気量測定を実施。

PHPP OA/EA データ

計測点 設計値 実測値
OA 給気合計 180 m³/h 208 m³/h(+17%)
EA 排気合計 185 m³/h 200 m³/h(+8%)

給気が排気より多い状態(正圧)は外部からの湿気流入を防ぐ点で有利ですが、 過剰になると熱交換効率が低下するため、ダクト経路の摩擦損失を再計算して調整しました。

風量測定1

風量測定2


床下の湿気管理

基礎断熱住宅では竣工直後の夏に床下湿度が高くなりやすいです。

床下換気計画

主な原因

  • 新築コンクリートからの水分放散(乾燥に数年かかる)
  • 床下換気が不十分

対策

  • 防湿シート(JIS A 6930 相当)の全面施工
  • 床下ダクトを換気経路に組み込み(第一種換気のリターンを床下経由に)
  • 竣工直後は除湿機を仮設運転

まとめ

温暖地のパッシブハウスでは「冬の暖房負荷削減」と同じくらい「夏の冷房設計」が重要です。 日射遮蔽・換気バランス・湿気管理を組み合わせることで、 電気代を最小化しながら快適な夏を実現できます。

次回勉強会も楽しみです。

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